基本沈み気味の地味日記
2008
男が狭いアパートに帰ると、昼間喫茶店で別れを告げたはずの彼女が食事を作って待っていた。
「もう、別れたはずじゃ…」
「うそ。だってあなたの顔に書いてあったもの。まだ私のことを愛してるって」
「…愛していたって、どうしようもないことがあるんだ」
女は男を真摯に見つめ
「ねえ、わかってる?わたし、けっこう思い切ってるんだよ?」
図々しい女って思われちゃうかもしれない。
「でも、今私は、ここに、こうして居るの!!」
そうまで言われても煮え切らない男。
女はあきらめ、哀しく笑うとエプロンを外して部屋を出た。
「そう…、じゃあ今度こそ、本当に…さよなら」
しかし。
踏み切り。行過ぎる電車を待つ女を、男は追いかけてやってきた。
「一生…、ずっと、俺と一緒にいてくれ…!」
「バカっ!5分前に別れたばっかりじゃないの…っ」
ばかばか…。
抱擁。
このあたりで
「この番組は仮面ライダーキバです」
っていう字幕が欲しかったです。わたくしとしましては。
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